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vol.2 永野真弓さん その3

Oi-pan interview パン屋さんの「なんでパン?」をうかかがいます。

●永野真弓(ながのまゆみ)さんのプロフィール
石川県白山市生まれ。金沢工業大学工学部卒業後、
コンピューター会社、JICAなどに勤務。
OLとして働く傍ら、パン教室で学び、
いつしか求められるままにお店や個人にパンを卸すように。
2009年、金沢市糸田新町に「パン屋 まなびぃ」をオープン。
現在はカフェ勤務と、毎週木・金曜午後 のパン屋営業を両立させている。




その3

2年後…ありそうな気がする

―    これまでに影響を受けたパン屋さんってありますか?

永野・・・うーんどこかなぁ…。
あ、ふと思い出したんだけど、子どもの頃、香林坊にあった「ジャーマン・ベーカリー」かもしれない。よく家族で行ってたんです。吹き抜けの店内の1階がパン屋さん、2階がレストランになってる大きな店でした。あそこで、パンを買ったり、食事をしたりするのが、すごく楽しかったなぁ :roll:  それが、記憶のどこかにしっかりと印象に残ってる。
うちに来るお客さんに「天然酵母なのに、ハード系があまりないんですね」と言われるんですが、確かにうちには、やわらかめのパンが多いんです。ハード系はシンプルパンかベーグルぐらいしかなくて、がっつりハード系って作ってないんです。その分野が得意な店はほかにあるから「私はソフトなパンを」と思ってる。「やわらかめで、食べやすいパン」が、うちのパンの大前提になってるんです。もしかしたら、その根底には、ジャーマンのパンがあるのかもしれない。

―    私も香林坊のお店はよく覚えてます。県内にはまだファミリーレストランがなかったから、そのさきがけのようなお店でしたよね。明るくて開放感いっぱいの店内は、当時の”しあわせの象徴”みたいだったなぁ :-)  あのお店のパンは、まさに「家族みんなで食べられるパン」。そんな思い出が、まなびぃのパンの「やわらかめで、食べやすいパン」につながってるなんて、面白いですよね。その今のレシピは、全部自分でオリジナルに作ったものなんですか?

永野・・・そうです。ほかのお店もみんなそうなんじゃないのかなぁ。私はパン屋さんでの修行経験がないから、よくわからないけど。教室で習ったパンは、いい材料をふんだんに使ったリッチなパンばかりだったんです。そういうのは、日常用のパンじゃないから、自分で作ろうと。









まなびぃのシンプルパンとベーグル。カンパーニュやバゲットのような本格的なハード系は「自分の領域でなはい」と永野さん



―    どうやって作っていったんですか?

永野・・・本を参考にしたりして。神戸のパン屋さん「コムシノワ」のレシピを、けっこう参考にしましたね。それを何度も作ってみて、自分なりにアレンジを加えて完成していきました。

―    目指したのは「毎日買えて、毎日食べられるパン」?

永野・・・そうです。あと、値段設定にも気を配りました。一番高いパンでも200円。うちで200円より高いのは食パンだけなんですよ。私はパン屋さんで200円以上のパンを買うけど、一般の人だと、よほどのパン好きじゃないと200円以上のパンは買わないですから。自分でやってると「原価がこれだけかかってるんだから、これぐらいはほしい」というのはあるんですが、お客さんには関係のないことじゃないですか。だから、まなびぃのパンの価格基本は200円以内です。

―    値段設定は難しいですよね。ほかの人に相談したりするんですか?

永野・・・ほぼ自分で決めてます。ネットや雑誌で有名なパン屋さんの記事を読んだりもして。原価で決めるのではなく、パンの種類によって決めてますね。「スコーンを買うんだったら150円前後だろう」とか、あくまでもお客さん目線で決めるようにしています。

―    そんなふうに、ひとつひとつパンのレシピを作り、パンの種類も増え、値段設定もして、パンを焼く量や時間配分のペースもつかめてきて…お店も2年め、これから先の目標ってありますか?

永野・・・あと1年はこのままかな~。でも2年後はわかんない。

―    そう言いつつも、きっと着実に進んでるんだよね(笑)。「芯や根っ子がちゃんとしてる人だなぁ」って、いつも感じます。パン作りの上で「絶対守り続けていること」ってありますか?

永野・・・「パンは必ず自分の厨房で作ること」「化学調味料無添加であること」です。お客さんに化学薬品アレルギーの人がいるので。だから、ビタミンC、乳化剤は一切入ってないです。チーズやウインナー、ドライフルーツ、ナッツ、チョコレートに至るまで気を遣ってます。

―    これからもパンは作り続けていくつもりでいますか?

永野・・・らかの形で、「自分が作りたいパン」をずっと作っていくと思います。できたら、2年後ぐらいにはカフェをやっていたいけど。

―    2年後、もしカフェをしているとしたら、どんなイメージ?

永野・・・場所は金沢市内の住宅街がいいですね。

―    ベーカリーカフェみたいな?

人気のワッフル3種

永野・・・うん、そんな感じかな。ベーグル、スコーン、ワッフルを置いて。この3種はお客さんにも好評だし、自分でも得意なものだから。そして、コーヒーもおいしい自家焙煎のお店から取り寄せようと思ってます。実はコーヒーを取り寄せる店は自分の中で決めてるんです。「珈琲のばん」というお店。知人においしいと聞いて、ふらっと飲みに行った時、店主の方が自家焙煎の工程を2時間かけて見せてくれて、すごく感激したことがあって。あ、もちろんコーヒーもおいしかったですが(笑)。

―    先はわかんないと言いつつ、カフェに仕入れるコーヒー店まで決まってるなんて(笑)、しっかり構想が進んでるじゃないですか :-D ! その2年後のカフェに向けて、貯金はしてるの?

永野・・・してない(笑)。毎日が精一杯です。

―    じゃあ、共同経営者をさがす?

永野・・・うーん、パートナー以外の共同経営者は考えてないですね。「スペースをシェアして」というのはあるかもしれないけど。誰かと一緒にやると気を遣いすぎて疲れてしまうんですよ。基本的にすべてひとりでやりたいほうだから、自分の好きに出来ないと、ストレスがたまるほうだし。

―    確かに、まなびぃのパンは、まあちゃんがひとりでコツコツ作っている、その楽しさが現れてるところがいいんだと思う。まるで自分の子どもみたいに丁寧に作ってる様子が、パンから目に浮かびますもん♪

永野・・・ありがとうございます! 以前、あるお客さんがうちのスコーンを食べて「ずーっとサクサクで、永遠に続くクロワッサンみたい」と言ってくれたのが、とってもうれしかったんです。そうやって、喜んでくれるお客さんがいるからこそ、毎日の「ひとり仕事」も楽しいんだと思う…

 

 

 


「永遠のクロワッサン」と評されたスコーン


―    でも、2年後のカフェの実現、なんだかありそうな気がするなぁ :roll:  パンを卸すようになったいきさつとか、今の店舗が見つかった話とか、今までのあれこれを聞いてると。

永野・・・実は私も、なんとかなりそうな気がしてるんです(笑)。

―    まあちゃんは、運を持ってる人ですよ :-D  きっと、日頃の「コツコツ」を神様がどこかで見ててくれてるんだろうね。

永野・・・だといいなぁ(笑)。

(永野さんのインタビューはこれで終わりです。
最後までお読みいただき、ありがとうごさいました
次回のゲストは「あさひ屋ベーカリー」店主、大石旭さんです)