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vol.3 大石旭さん その2

Oi-pan interview パン屋さんの「なんでパン?」をうかかがいます。

●大石旭(おおいしあさひ)さんのプロフィール
兵庫県神戸市生まれ。金沢大学文学部行動科学科中退。
電気工事会社勤務を経て、
金沢市有松の「アリスファームキッチン」でパン作りを学ぶ。
2004
年、白山市鶴来エリアに「あさひ屋ベーカリー」開業。
趣味は山歩き。

 

 

 

その2

ものづくりは面白い

―    「アリスファームキッチン」さんでは3年半ほど修業されたんですよね。パン屋開業を考えながら修業してたんですか?

大石・・・入った時は”パン屋修業”というつもりじゃなくて。その前に僕、電気工事会社で働いてたんですね。実家も電気屋だったんで。

―    へぇ、そうだったんですか。

大石・・・「自営で何かやるなら電気業かな」と、ゆくゆくは独立も考えてました。その会社では、住宅の配線とかもしてて、大工さんの仕事を見たり、話をする 機会が多かったんですね。その仕事ぶりを見るうちに「大工さんってかっこいい! 自分もものづくりの仕事がしたい」とだんだん思うようになって…
結局、電気工事屋さんをやめて、大工の技術を学ぶ専門の学校に行こうと決心して。そのための費用を捻出しようと、取りあえず1年バイトすることにしたんです。

―    その時、パンには興味はあったんですか?

大石・・・あ、もちろん、興味はありましたね。

―    アリスさんのことはご存じだったんですか?

大石・・・大学時代からよく買いに行ってました。大学の寮の同室の先輩がパン好きで、一緒によく買いに行ってたんです。

―    その頃、アリスさんはお気に入りのパン屋さんだった?

大石・・・寮から近かったせいもありますが、好きでしたね。

―    従業員募集は、どうやって知ったんですか?

大石・・・パンを買いに行ったら、入口に貼り紙があって。それを見て「1年間、学費を稼ぐために働かせてください。そしたらやめます」と言って入ったんです(笑)。

―    じゃ、オーナーさんの了承も得て、腰かけのつもりで働きはじめたと(笑)。
でも、1年のつもりが、3年半も続けてしまったのは…

大石・・・それが…面白かったんです、パン作りが。
大工さんを志したのも、結局”ものづくり”がしたかったんですよね。だからね、動機は一緒なんですよ、パン屋も。

―    当時、厨房に従業員は何人いらしたんですか?

大石・・・6、7人ぐらいいたかな。

―    すごい活気あったんですね。そこで働くうちに「パン屋さんになろう」と思いはじめたのは、どのぐらいで?

大石・・・3ケ月ぐらいで思いましたね。

―    ええっ、早い! どんなところに魅力を感じたんですか?

大石・・・「発酵の面白さ」です。パンをただ食べている時には、気づきもしませんでしたけど。

―    そんなに、発酵って面白いんですか 8-O

大石・・・すごく! 目には見えんけど生きものがこのパンの中にぐじゃぐじゃいるということが。

―    ははは。それって実感できます?

大石・・・できますよ。ブドウから泡がブクブク出てきたり、香りがどんどん出てくるとかで。なんかね、可愛くなってくるんです、酵母が。育てるのが楽しみになってくる。

―    それで「天然酵母っていいなぁ、自分はこれでやっていこう」と思ったわけですか?

大石・・・いえ、その段階では”目覚めた”というだけで、天然酵母でやっていこう、とまでは考えてなかったです。趣味ならいいけど「商品として出すならイーストのほうが確実」とまだ思ってましたから。

―    3年半でお店開業に踏み切ったのは、自信がついたから?

大石・・・「自信」というのではないんですが、とりあえず3年でひととおりのパンの工程が学べるので、ひと区切りがつくかなと。目標は決めて、資金準備もコツコツしてました。

 

大石さんご夫妻。パン修業時代はすでに結婚。開店準備は二人三脚で進めていました

 

(つぎに続きます!)