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vol.6 吉田勝人さん その3

Oi-pan interview パン屋さんの「なんでパン?」をうかかがいます。

吉田勝人(よしたまさと)さんのプロフィール
1974
年、小松市生まれ。石川工業高等専門学校建築学科卒業。
大阪の建築会社、金沢の店舗設計会社で設計に携わる。
26
才の時、小松大和の「ドンク」で働き、パンの魅力に目覚める。
加賀市のかぼちゃ村のベーカリー「ア・ポワン」勤務後、独立。
小松市北浅井に「ヨシタベーカリー」を開業。
2008
年に小松市矢崎町に移転、現店舗をオープン。
趣味はパン作りと日曜大工。

 

その3

”やりたいパン”を焼く店に

―    お店を造るにあたって、こだわった点はどこですか?

吉田・・・質感ですね。新築だけどピカピカしたきれいなものではなく、前からあったような佇まいを出したかったんです。

―    確かに味わいのある質感になってますよね。そして、オープンキッチンも?

吉田・・・そうですね。前の店で試してみて、すごくいい面を実感してましたから。お客さんとの距離がすごく近いので、お客さんの顔が見える、声がダイレクトに耳に届いてくる。それがオープンキッチンのよさですよね。次の店でもぜひ採用したいと決めてました。

―    お客さんと距離が近いというのは、作り手にとっていいものなんですね。

吉田・・・全てがいいわけではないですが、直接声が入ってくるのは、いい刺激になります。
どういうお客さんに、どういう表情で買っていただいてるのかも参考になるんです。

―    楽しそうに選んでる様子は、日々のやりがいにもつながりますよね。

吉田・・・そうですね。

―    ほかにも、このお店ならではのこだわりがうかがえますよね。

田・・・そうですかね。強いてあげれば、パンの売り場に”抜け感”を出したかったので、吹き抜けにしました。来店したお客さんに気持ちよさを感じてほしいと思って。カフェスペースは最初は全然考えていませんでした。でも、金沢の「たね」さんの前の店舗「ラ・フィセル」の雰囲気がすごく好きだったので、「あんなふうなゆっくりした雰囲気にしたいなぁ」とは考えていました。そのイメージがふくらんで、カフェスペースが完成していったんです。

 

 


―    木場潟の眺めを活かした2階のカフェスペースも?

吉田・・・2階のカフェスペースは設計の「SOU-SOU-TEN」さんの提案です。この眺めがありますからね。


田園と木場潟(左上)を望む2階カフェスペース

 

 

 





―    木場潟が見えるカフェって、実はないんですよね。
目の前にどーんじゃなくて、チラリと見えるところが、こちらの雰囲気とまた合っているような気がします。

吉田・・・ええ、結果的には作ってよかったなぁと思います。

―    とっても贅沢な空間になってますね。店内の雑貨も素敵です。雑貨は販売もされてますよね。

吉田・・・自分が好きな雑貨を集めていくうちにこうなったというか。最初は販売するつもりはなかったんですが、こんなテイストを好きなお客さんに喜んでいただければと始めてみました。

―    仕入れはどこから?

吉田・・・大阪の輸入雑貨のお店や、大阪・京都の骨董市などですね。

―    こうした雰囲気は、ヨーロッパアンティークというより、アメリカの古きよきものというような…どう表現すればいいんでしょうか?

吉田・・・アメリカン・ビンテージですね。

―    懐かしいような、落ち着きとあたたかみを感じますよね。
開店当時よりさらに深みを増しているような…
ところで、こちらのお店をオープンされてから、もう何年になりますか?

吉田・・・3年めになりました。

―    ここでもう、自分の目指す完成形に来たという感じはありますか?

吉田・・・完成形というか、自分のやりたいことはできています。”自分のやりたいパン”をコツコツ作っています。前の店ではお客さんのニーズに応えるパンを提供していましたが、
ここで作るパンは「僕がお客さんにぜひ食べてもらいたいパン」なんです。

―    私は吉田さんのパンから「シンプルな素材でよいものを」「好きな素材をぎっしり盛り込む」「ひとつのパンで満足感を」というようなメッセージを感じます。

吉田・・・そうしたパンは僕が好きなパンですね。例えば「くるみのパン」とあって、一口食べてもくるみが出てこないパンにしたくない。

―    パンづくりで、一番大事にしていることはどんなことですか?

吉田・・・「ヨシタベーカリーで作るパンは、何個作ろうがすべて1個1個大切に丁寧に作る。そこは絶対曲げずに行こう」ということですね。
パンに対して真面目に正直に誠実に、嘘のない向き合い方をしていきたいと思っています。

 

(つぎに続きます!)