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vol.8 浦辺千寿さん その4

Oi-pan interview パン屋さんの「なんでパン?」をうかかがいます。

浦辺千寿さんのプロフィール
1985
年、石川県七尾市に生まれる。
県立羽咋高校卒業後、和倉温泉の旅館「加賀屋」に入社し、

接待さんとして働く。
その後、レディスカジュアル会社「ハニーズ」に勤務。
2009
年に実家に戻り、家業の農業に従事する。
2011
年にパン・焼き菓子の工房「ネテ製穀」を開業。
七尾市の雑貨店「歩らり」や県内外のイベントで販売している。
パンとマフィンはネット販売も実施中↓
www.shoku-no-nekko.co




その4

原種はおいしい

―    そして、このイチヂクの田舎パンこれはもっとライ麦の割合が多いんですよね。

 

 

 

 

 

 




浦辺・・・
小麦とライ麦が半々に入っています。イチヂクも鬼グルミほどではないですが、風味にややクセのある素材です。ライ麦の酸味とすごくよく合うので、たくさん入れても大丈夫なんですよ。これにもライサワーを使ってコクを出しています。
ゆくゆくはこのイチヂクも自家製を使っていきたいと、今年畑に植えたんですよ! 
何年かかるかわかりませんが、実現させたいと思ってます。

―    数年後を見据えて、着々と準備を進めているんですね。
いずれは、このパンの材料に”能登産イチヂク”と銘記できるといいですね。

そして、この古代小麦パンスペルト小麦を使ってますよね 8-O ! 
この珍しい小麦粉を使おうと思い立った理由は?
古代エジプト時代から栽培されていた
小麦の原種収穫率が低いため、次第に栽培されなくなっていったが、近年再注目されてはじめた。その理由は「人工的な品種改良が行われていない」「害虫や病気に強い」「小麦アレルギーを発症しにくい」「胚乳の栄養素が高い」「香りや風味が豊か」などさまざま。

 

 

 

 

 

 

 



浦辺・・・
粉だけのシンプルなパンのレシピは出来ていたんです。でも、国産ユキチカラで作るだけだとなんだか面白くない。ひとひねり欲しい。じゃあ、スペルト使おう!ということにしたんです。

―   スペルト小麦はどうやって知ったんですか?

浦辺・・・私、原種好きなんです。トマトとかの野菜でも原種って、味が凝縮されてて、すごくおいしい。「どんな作物でもきっと原種が一番おいしいんだろうな」と、なんとなく確信してたんです。小麦もそうだろうと思って”小麦の原種”でネット検索したらヒットしたのが、スペルト小麦でした。

―    スペルト小麦は、どうやって入手しているんですか?

浦辺・・・ネットで購入してます。輸入小麦を日本で製粉したものです。

―    浦辺さんは、ネットを駆使してますね。

浦辺・・・ネットっ子です(笑)。能登にいるとネットは力強い味方です。

―    確かにそうですよね。それと、このパンにもほかの粉は使ってるんですか?

浦辺・・・ライ麦が5%入ってるだけです。スペルトの風味を活かしたいので。

―    スペルト小麦は、これまでの小麦と違いますか?

浦辺・・・全然違います。まず袋を開けた時に感じたんですが、香りがとても強いです。製粉はサラサラしてなくて、ちょっとダマが残ってるんですが、パンを作るにはちょうどいい具合なんです。

―    グルテンが強いんですかね :roll:

浦辺・・・強いですね。でも、グルテンが形成されるまでに時間がかかるので、水を入れて寝かせる必要があります。その間に香りがどんどん飛んでいってしまうので要注意ですね。
これは私独自の工夫なんですが、香りを守るために、できるだけ手を冷やして作業するようにしています。

―    手を冷やすのは効果的なんですか?

浦辺・・・私は「高温になると香りがとぶ」と感覚的に実感してます。だから冬場はいいんですが、ちょっとでも気温があがってくると、氷水で手を冷やして作業します。

―    自分は我慢して、粉の香りを大事にしてるんですね :-(  生地の膨らみはどうですか?

浦辺・・・ライ麦があまり入ってないので、3つのパンの中で一番膨らみますね。

―    どうやって食べるのがオススメですか?

浦辺・・・香りがごちそう”なので、何もつけずに食べてもおいしいです。ナッツのような香りを楽しんでください。

―    これら3つのパンの日持ちはどれぐらい?

浦辺・・・仕上げに高温でガッと焼きますので、1週間ぐらいは持ちます。

―    それはありがたいですね~。買いだめしたり、お取り寄せしたりするのに最適です。
ところで、パンのほかに、マフィンも作るようになったいきさつは?

浦辺・・・これまでお話してきた、いわゆる”素朴なテーブルパン”以外で、何か楽しいパンを作りたいと思って。食事替わりにもなるもので、季節の素材も入れられる何か…。
で、ふと思いついたのが、マフィンだったんです。胃が疲れず、身体に優しいものにしたかったので、ベーキングパウダーや乳製品を使った普通のマフィンじゃなくて、自家製酵母や豆乳を使ってレシピを練り上げていきました。アメリカのマフィン図鑑や、東京のベジタリアンカフェ「カフェエイト」さんのレシピ本などいろんは本を参考にしましたね。


玄米酵母マフィンは、
プレーン、木の実、チャイ、抹茶小豆、ダイズ、ゴマバニラの定番商品のほか、
季節商品を揃える

 

 

 



―    ネテさんらしさは、どのあたりに出しましたか?

浦辺・・・見た目も味もどっしり、ごろっと、こっくり というところですね。それから、餡やゴマペーストなどのフィリングは絶対自家製と決めてます。

―    通年の定番ものと、季節限定のものがあるんですね。

浦辺・・・そうです。季節限定品は果物、野菜、山菜などを使ったものです。

―    季節限定品もおいしそう :-D  秋の栗バニラとか食べてみたいです。

浦辺・・・栗はうちの山から野生の「しば栗」を取ってきて作ります。

―    ご実家の山なんですね。”山持ち”なんてすごい 8-O ! 
しかも野生。これがほんとの贅沢ですよね。

浦辺・・・いえ、ただの田舎です…(笑)。

 

(つぎに続きます!)