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vol.9 内籐直樹さん その6

Oi-pan interview パン屋さんの「なんでパン?」をうかかがいます。

●内籐直樹さんのプロフィール
1961年、広島県出身。
カワイ楽器の調律師として金沢に赴任。
パン屋でのアルバイトをきっかけにパン職人になることを決意。
「ドンク」での修業を経て、
’92年に「アリスファームキッチン」を開業。
趣味はピアノ演奏。



その5

柔軟に受け入れて試す

―    私、アリスさんのマーマレードとクリームのスコーンが大のお気に入りなんです :lol:



現在は支店の「Native & Nature’s Market Place Bakery」で土曜のみの限定販売


 

 

 

 

内籐・・・あれは僕もほんとに気に入ってるんですよ! お店に並ぶまでにはいろいろいきさつがあって、すっごく力を入れて完成させたものです。スコーンをはじめて見たのはイギリスの本。「簡単そう。作りたい」と思ったんですが、どんなものなのか想像つかなかった。それで、’94年にイギリスに行った時、湖水地方のプチホテルの厨房で直接教えてもらったんです。

―    え、いきなり行って教えてもらえたんですか?

内籐・・・あらかじめ旅行会社に「スコーンを習いたい」と要望を伝えて、おいしいスコーンを教えてくれる場所を探してもらったんです。見つけてくれたホテルのスコーンは、すごくうまかったですね。習った後に現地で材料を揃えて、同じ味が再現できるまで日本で何回も試作してみました。当時は中に入れるクロテッドクリームが手に入らなかったんで、ほぼ同じ味になるようにオリジナルのクリームも工夫したんですよ。

 

 

 

 


英国のプチホテルでのスコーン講習会

 ―    あの、マーマレードとクリームが絶妙なんですよね :oops:

内籐・・・このレシピにはマーマレードが一番合います。生地には全粒粉を少し入れて、香ばしさを加えてます。スコーンにはいろんな製法がありますが、日本でよく出てるのはクッキーみたいなのが多いですよね。僕はその頃、スコーンというものをよく知らなかったから、イギリスで自分で見て食べて納得したものしか作りたくなかったんです。

―    私はこれで、スコーンに目覚めたんです :lol: このスコーンがお店に登場した頃は、スコーンを出してるパン屋さんはまだほとんどなかったですよね。

内籐・・・ええ、まだやってなかったですよね。でも今は、残念ながらこちらの店では焼いてないんです。「Native & Nature’s Market Place Bakery」では週末に焼いていますけどね。またこちらでも作ろうかな。自分でも思い入れが深いし…

―    ぜひ再開してください、待ってますから :-D
最後に、以前「ベッカライ ブロートハイム」のオーナーシェフの赤石克彦さん※の講習会で、パン作りの精神を学んだとおっしゃってましたが、それはどんな?
赤石克彦さんは、製パン技術者の技術と地位向上、業界の発展を目指し’79年に発足した「J.P.B.友の会」の代表も務めている。

内籐・・・パンのことを第一に考えて、自分のペースで技術と経験を積み上げていく。いろんな情報に振り回されず、自分でちゃんと試してみて、本当に必要なものだけを取り入れていく。自分が持っているパンの考え方を大事な軸として、ぶれないようにする、という感じかな。

―    日本の職人さんたちは研究熱心すぎて、情報通りになんでもやりすぎちゃうところがありますからね。

内籐・・・そういう面は確かにありますよね。酵母だって日本だけですよ、こんなにあるの。海外だと「何、それ? イーストでいいじゃん」って言われる(笑)。

―    では、内籐さんの”軸”って何ですか?

内籐・・・僕には軸ないですよ。”風に吹かれるまま”です(笑)。












―    そんなことないでしょ~(笑)

内籐・・・強いて言えば、絶対にこれ」という固定観念を持たないことかな。
パンの知識が詳し過ぎると、逆に頭固くなっちゃったりするでしょ。全然知らない人の発想のほうが面白かったりするから、お客さんのいろんな意見も大いに参考にしています。その上で自分で実際にやってみて、「いいな」と思ったら取り入れていく。そのほうが楽しいから。

 

(内籐さんのインタビューはこれで終わりです。
最後までお読みいただき、ありがとうごさいました)